俺たちのバケーション:4日目

目覚めた時、私の中を駆け巡ったのは大きな不安であった。

昨晩は一昨日とは違い、私たちは胸の中に溜め込んだ思いを曝け出した。というか酒の勢いに任せて最近できた黒歴史を暴露しまくった。

何かヤバいことを言ってないだろうか……うん、みんなヤバいことしか言ってなかったな。私の凡庸な人生の中にチラと過ぎった特異点の話も、皆の経験談に比べれば紙くず同然。うちのゼミ生は真面目な優等生の殻を被った、愛すべき変人(変態)たちの巣窟であることが、再度明らかになった夜だった。

早いもので卒業旅行最終日。昼過ぎ頃には空港へ向かわなければならない、ということで、今日の予定はお散歩とお土産購入のみ。

まずは、昨日早起き組のみで行った海岸に皆で向かった。

海水ちゃぱちゃぱしてる元気女子、ふみか、まり、おくちゃん。海にテンション上がる男子、菊地ぱいせん、内山。日焼けしたくなくて砂浜にうずくまる、くりちゃん、私。御社を見つめたまま動かなくなった山谷……。

この4日間、色々あったな……いや、違う。びっくりするくらいいつも通りだったわ。皆んなで「やっぱりこのゼミ集団行動できねえな」と言い続けるのもいつも通り。飲み会で山谷と菊地ぱいせんが意外性の高い暴露話を始めるのもいつも通り。ひとを煽るくせに自分のことを何も話さない内山スタイルもいつも通り。ふみかとおくちゃんが深めのお話と秀逸な返しを静かに生成していくのもいつも通り。そこにくりちゃんが底抜けの明るさで突入するのもいつも通り。そして、私とまりが迷子になるのもいつも通り……。

皆でお土産屋に入って、一緒に回っていたはずなのに、ちょっとトイレに行っていた間に、私は迷子になった。どうしようかとぐるぐる歩いていると、同じく迷子になったまりと遭遇した。このシチュエーション、何回目?

二人でブランド化粧品のあたりをふらつくことおよそ三分。そういえば私、そんなに化粧品に興味無いわと気付いてまりを見る。まりも化粧品を見ているようで、その目には映し出されているのは空虚だ。キラキラ女子大生になりきれなかった私たちの末路は「なんか良くわかんない。とりあえずおなかすいた」。二人で酸っぱ目のものを生地で巻く何かと、らーめんみたいだが麺がスパゲッティぽいちょっと辛い凄く美味しい何かを食べた。

その頃、私たち以外は、みんな大好きABCストアでお土産を買ったり、タコスを食べたりしていたらしい。送られてきた写真にきちんとビールが添えられていることから、菊地ぱいせんが撮ったものであることが分かる。

ただ一人、タコスグループにも迷子グループにも所属せず、さすらい歩く者がいた。山谷だ。

「最後に海に行きたい」というまりと一緒に海に向かう道すがら、赤いパンツを見に纏う男が向こうから歩いて来るのが見えた。この男、ここ2時間ほど皆と離れ、何をしていたのか不明だが(本稿作成時、既に島流しにあっていたため)、一人で海を見ていたようだ。

ヤマヤ が 仲間になった!

私たち三人の話題は、専ら「山谷の今後について」。あと一ヶ月と少しで、例の厳しい職場で地獄の日々を送ることになるであろう山谷。彼は最後の自由を、いかに謳歌すべきか。

結局、彼がどんな日々を送ったのか、私は知らない。しかし、彼は勿論、皆にとって、この卒業旅行が、大学生活最終章の良き一ページになったことは間違いないだろう。

内山に、書け書け、書けば良い情報を教えてあげるから、と顔を合わせる度に言われ続け、私も暇そうに見えて色々やることがあるんだよ!と返しながらも、まあキングダムを読み進めるのと同時並行で少しずつ書いていこうと思っていたのに、キングダムが面白すぎて、ふと気がつけばいつの間にか社会人始まってて、内山から「で、ブログは?」と催促され続け、遂には「GW中には絶対あげろ」と期限を決められ、GW一日犠牲にしたみたいな計画性の無い私の日記にお付き合いいただきありがとうございました。内山は今度何かおごって。

一人で書くのはしんど過ぎるから、一日目、三日目はぱいせんお願いしますと、野方の超素晴らしい居酒屋・秋元屋でぶん投げて、二月中に原稿送ってくれた菊地さん、ありがとうございました。遅くなってごめんなさい。今度何かおごります。

実は交友関係が結構狭い私にとって、こんなに素晴らしい先生、先輩、同期、後輩と出会えたことは本当に幸運でした。部活ばかりに精を出し、見学などに行かなかったにも関わらず、ゼミ友を見て「適度に真面目で、適度にリア充、でもキラキラしすぎてないゼミ」というなんとも核心をついた印象を持ち、酔った勢いで倍率を楽観視、徹夜でESを書いてギリギリでも応募して本当に良かったです。二年間ありがとうございました!

飛行機が離陸する。

私も、他の人も、既にうとうととし始めていた。日本に帰り着く頃にはとうに日が落ち、皆ばらばらになって自分の家に帰って行くことだろう。私たちの学生生活も、これにて終了。就職先はばらばら。今後どんな人生を歩むことになるか、自分のことさえもまだはっきりしない。だけど、私たちには帰ってくる場所がある。

いつか絶対、また14期16人みんなで集まろう(もちろん半分13期の菊地さんも入ってるよ!)。それまでみんな、元気で!

おしまい。

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俺たちのバケーション:3日目

朝起きると7時。高校時代から仕込まれた体内時計は今なお健在だ。

でも、ひっそりと寝る。この二度寝が至福なんだよなぁ。ひっそりと、というのには訳がある。

・各人、思い思いの時間まで寝よう

・自分が起きても他の人を起こすなんて野暮なことはやめよう

というルールを内山が発動。それを僕は律義に守っていた……Zzz

とはいうものの、9時過ぎにはすっかり目が覚めた自分。LINEで示し合わせたメンツ(内山、菊地、黒田、高川)で散歩がてら朝食を摂ることに。

朝10時だからといってグアムの日差しをなめちゃいけない。肌を突き刺す紫外線から身を守るためには、サングラスと日焼け止めは必須だ。Remember OKINAWA.

スマホ片手にお目当ての店を探すこと10分、目的のカフェに辿り着いた。ちなみにカフェの隣はコンビニ「大阪」。日本人の心に訴求しまくる屋号である。

カフェでは何やらお洒落なベーグルを注文。そういや、こっちのサンドイッチなりベーグルって平気で5ドル6ドルするんだけれど、やっぱ高いよね。いや、日本が安すぎるのか…?

カフェのwifiでSNSチェックも済んだところで、ビーチに行くことに。

カフェから海辺まではものの数百mなのだが、このあたりはホテルのプライベートビーチが占めている。「この裏道からなら行けるかな?」と思っても、ホテルがしれっと建っているから侮れない。今回も、海辺を目前にして「関係者以外立入禁止(意訳)」という看板に進路を阻まれた。

とはいえ捨てる神あれば拾う神あり。僕らの目の前に白塗りのリムジンがやってきて、日本人の新郎新婦がしずしずと現れた。照りつける陽射しに勝るとも劣らない輝きを放つ新郎新婦に4人は暫し見惚れた。

そんな棚ぼたも楽しみつつ、ようやく海辺に辿り着いた一行。昨日の今日で海に来たはずなのに、皆次々とエメラルドグリーンの海に吸い寄せられる。海の色、波の音、緩やかな風…昨日とはまた違うシチュエーションで味わうグアムの海を通して、皆はグアムをますます好きになっただろう。いい写真も、お蔭で沢山撮れました。

かくして海を静かに、そして心行くまで楽しんだ4人は、ホテルで我々を待つもう4人のもとへと帰ることにした。帰ることにしたのだが……。

「「ざっぱぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」」

盥をひっくり返したような、とはこういう雨かと、突然のスコールに遭いながら冷静に思う。雨があまりに強くて、満足に眼も空けられない。

そんななか「You’re my soul soul いーつもすぐそばにある…♪」と、どうせ濡れるんだし、ご一緒にと言わんばかりに「A RA SHI」を歌う黒田に、他3人は苦笑しつつも元気を貰う。歌っちゃえ。

ホテルの男子部屋で「おう、お疲れ」と淡々と迎えてくれた山谷。何でかしらんけれど安心するな。着替えたもののスコールは未だ激しいので、着替えと午後のプランニングを行う。

地球の歩き方によると、ホテルから20km先の’Asan’という村がなかなか良さそうだ。タクシーも1人30ドルで貸し切れるらしい。そうと決まれば話は速い。山谷隊長による戦跡ツアーの開始だ。

2台のタクシーに分乗する一行。僕たち(内山、神谷、菊地、山谷)の運ちゃんは片言の日本語で沢山話してくれる。「有難いな~日本人を何度となく乗せたんだろうな~」などと思いながら、助手席に座る神谷との会話を聴いていると、いつの間にか会話が英語にすり替わっていた!運ちゃん、さっきより更に饒舌になってるし。

後部座席に座る男3人は蚊帳の外。神谷・運ちゃんワールドが展開されるのであった。にしても、神谷の英語には惚れ惚れする。

・太平洋戦争国立歴史公園

最初に向かったのはこちら。本当にだだっ広い公園だ。楕円形の広場には、2,3点の爆弾と案内書きがぽつんと置かれている。広場の向こうにはヤシの木、ビーチ、そして太平洋が広がっている。

広場の左手にはモニュメントがある。戦時中、ここアサンビーチから上陸し、グアムを日本軍からもぎ取った海兵隊を称賛するものらしい。

皆、思い思いの場所で海を眺めたり、写真を撮った後は、神谷を先頭に小高い丘を登り始めた。

じっとりと蒸す中進んだところ、ちょっとした空き地に辿り着いた。ここからは3つの道が広がっているようだ。

・更に高みを目指す道

・海岸へ続くと思しき道

・モニュメントの方へ戻る道

探求心旺盛な河野ゼミは、一番歩きづらそうな2を選択。狭く急な階段、貝殻や岩々が転がる道を歩むことになった。

進むこと2,3分。またしても海が開けた。何度見ても海は飽きない。あまつさえ、ここには8人しかいないのだ。天然の海岸線を辿りつつ、8人はのんびり過ごした。

そういえば、栗原と奥永の履物がヒールのあるサンダルだ。足場の悪い中、本当にお疲れ様。彼女たちのバイタリティある一面を見た気がした。

その後も、山谷の兵器、戦術解説などを聞きながらここでの時間を過ごしたわけであり、

「記念公園なんてすぐ見終わるっしょ」という見当は、いい意味で外れた。なんてったって1時間近くいたのだから。

・高台

タクシーの運ちゃんは尚も英語でしゃべる。運ちゃんはフィリピンの出身らしい。奥さんも、子供もいるらしい。米本土へ渡った子供たちはフロリダやカリフォルニアで伸び伸びやってるから、会いに行く方も大変だよ。なんてことを話してくれた。

饒舌に、楽しそうに話す運ちゃんを見ていると、こちらまで楽しくなる。

「次に案内する高台は、ツアーじゃ連れて行ってくれないところダゼ☆眺めも良いから楽しんデ☆」そんなことを言っていた。

高台には、グアムにおける太平洋戦争で亡くなった米兵士の石碑が鎮座していた。やっぱり、この美しい景色と石碑が不釣り合いに思える。

僕には戦争は分からぬ。僕は、早稲田大学の学生だ。友と遊び、酒を飲んで暮らしてきた。けれども……平穏な日常が壊されるのは嫌だ。なんちって。

そういえば、沖縄旅行のときは、こうした戦跡は廻らなかった。学生の間に、こうしたものに触れられたことを大切にしたい。

そんなことをしみじみと思っていると、海の向こうで雨が土砂降りになっているのを発見した。「向こうで土砂降りになってるっぽいよ」と呑気に皆に呼びかける間にも、こちらに迫りくる土砂降りの雲海。朝の二の舞を避けるべく、全力でタクシーに戻る8人であった。

・太平洋戦争博物館

グアムにおける太平洋戦争を日米両方の資料で展示している博物館にやってきた。さながらクリントイーストウッドの映画だ。

日本ゾーンでは、グアムにおける日本兵の経過、一部始終を辿ることが出来た。

中でも目を引いたのは横井庄一さん。

何枚もの写真や絵を基に、彼がどうやって40年弱グアムで生き延びたのかを説明していた。

皆、食い入るように日本軍に関する掲示を読んでいた。皆、何を思いながら読んでいたのだろう。

アメリカゾーンでは、海兵隊にまつわる品々が展示されていた。また、軍用車や銃器も手に取れる展示となっていた。ヘルメットと小銃を持った山谷、やっぱり様になるね。

確認しそびれたけれど、館長は海兵隊の退役軍人なのかもしれない。

何を思い日本人観光客を出迎えているのか、訊いてみたかった。

気が付けば夕方。おなかがすく時分だ。

そういや、神谷さんと運ちゃんがレストランの話をしている。よくよく聞いてみよう。

日本食レストランとグアム料理を出すお店がお勧めらしい。…まぁタクシーで送ってあげるよ、という商売っ気のあるオチも微笑ましい。

タクシーの運ちゃんにもずいぶんお世話になった。4時間貸し切りで1台120ドル。1人当たり30ドル。濃密な経験をさせてもらったことを思えば、十分すぎるお値段だ。感謝感謝。

ホテルのロビーでブリーフィング。高川お母さんを筆頭に女性陣が行く先を検討する。

コストとプレミア感を加味した結果、チャモロ亭に行くことに。

ちなみにチャモロとは、グアムの先住民族の名前だ。さしずめ北海道のアイヌみたいなものだろう。

午後五時近く、グアムのメインストリートを北へ歩く一行。

右手にはDFCガレリア。バーバリー、ルイヴィトンなど名だたるブランドの看板が並ぶが、グアムの雰囲気にそぐわないと感じるのは自分だけだろうか。

左手には、イタリアンレストラン、カフェ、水族館などが並ぶ。そうそう、こういう眺めの方が、旅行に来たって感じるよね。

さらにひた歩くこと10分。だらだら坂を上った丘の上のホテル内に、お目当てのチャモロ亭がある。

そう言えばこれが最後の晩餐なんだなぁ。そう思うと、途端にグアムが名残惜しい。況やゼミ生活をや。

開店時間よりずいぶん早く到着した僕たちだったが、お店のご厚意により開店を早めてくれるらしい。ありがたやありがたや。

手元のメニューには、ステーキからシーフードまでボリューム満点のディナーが押し合いへし合い並んでいる。困った、選びきれない。

厳正なる審査の結果、リブ&チキンステーキと相成りました。期待で胸パンパン。

食前酒代わりのグアムワインを皆でシェア。甘酒のような風味が、日本人の僕らには飲みやすい。

メインが来るまでの時間、皆は入社後の話に花を咲かせる。

こちらの島では山谷がやっぱり注目の的だ。

勿論、奥ちゃんや栗ちゃんの話も興味深い。

ハッキリ言って大学生活はぬるま湯だ。程度の差はあれ、政経生という同じ価値観で括られる人たちなのだから。

社会に出れば、途方もないギャップを感じる相手と渡り歩くこともあるに違いない。

何だか疲れたとき、河野ゼミ14期という巣に戻れるのは。

さあメイン料理が来た。

僕の前には、熱気と重量を感じさせるステーキがドンと置かれている。やっべー、超アメリカン。ちなみにこのステーキのグアムらしさは、ソースにあるらしい。

食事中は案外、静かだった。

この食事を摂れば、グアムの思い出が自分の血肉となると信じているかのように。

店への道すがらは高かった日も、最後の晩餐を終えるころにはすっかり太平洋に沈んでしまった。そろそろ潮時かな。

店を出る間際、奥永が1ドル札で作った折り鶴が、給仕さんに大層喜ばれていた。粋だなぁ。

旅の醍醐味って何だろう。一人旅なら、小回りが利くことを活かした気ままで自在な旅かな。じゃあ、集団での旅なら? やっぱりナイトトーク、部屋飲みでしょ。

ってなわけで、部屋飲み用のお酒を今日も買う。

集合場所は昨日と同じく、男子部屋。

昨晩のワインとイェーガーマイスター、ボチボチのビールを片手に始まる。

いやー…どういう経緯でそうなったのかイマイチ覚えていないけれど、気が付けば暴露大会が厳かに幕を開けていた。

会では8人が自分の赤裸々な過去を出し切った。皆、会を経て一段と逞しくなった。

それにしても、ぶっ飛んだネタを持つ面々が集ったのは、河野勝の選択眼のお陰なのか。

興奮冷めやらぬ中、男子部屋3人がベッドに入る。

ベッドに入っても赤裸々トークは続く。熱を帯びたグアム最後の夜は静かに更けていく。

おやすみ。明日は最終日。いい日になりますように。

俺たちのバケーション:2日目

「わん、べあーずはんど、あんど、わん、ほっとこーひー、ぷりーず」

英語での注文慣れてますよ、て感じで、聞いたこともない名前のパンとコーヒー(もちろんブラック)を注文。「熊の手」パンはその名の通り大きく、これぞアメリカン!と気取って食べてみたが、濃いラズベリーの風味は残念ながら純・日本人の口には合わなかった。コーヒーは出てこなかった。

「ホットコーヒーって和製英語なんだよね。Coffeeって言ったらホットのことみたい」

そう言うふみかの手にはきちんとIced coffeeとおいしそうなパンが。ちゃんとしてるなあ。落胆しながら店員さんに「わん、かっぷ、おぶ、こーひー」と注文すると、チッと舌打ちされ、バンと叩きつけるように出された。真夏のホットコーヒーは熱すぎて殆ど飲めなかった。

私たちが泊まっていたホテルは、左隣にABCマート、右隣にカフェがあり、とても便利。せっかくだから朝ごはんはカフェにで食べようと、昨日のうちに女子の間で話していた。

「おはよう」

なぜか一人で内山到着。

「黒田、ふみか、昨日は飲まなかったし、今日はつぶれるんだよな?」

ちなみにこの旅行中、こいつは十中八九これしか言わない。どれだけ女の子をつぶしたいんだ。菊地さんのことをキチクと呼ぶ割に、お前きちくすぎやしないか?

寝ぼけ眼をこすりながら内山の言を華麗にスルーすると、程無くして女子3人組も到着。殆どパジャマのままの私やふみかと違い、既に水着を着こみ、化粧も完璧。南国に似合いのホットパンツやリゾートワンピを身に付け、頭にはお花が咲いている。かわいい。美しい。これぞ異国に来た醍醐味!

さあ我々も準備をしなければ。

グアム二日目はビーチでマリンアクティビティーをする予定。夏休みにも沖縄に行き、散々海で遊んだが(前回ブログ参照)、今回は乗り物を乗りまわしてキャーキャー騒ぐ系。なんだろう、言っちゃ悪いが似合わぬリア充感。まずグアムとかいうキラキラ大学生ご用達スポットに来てしまったこと自体、間違いだったのかもしれないが。

ふみかと部屋へ戻る。洗面所で歯を磨いていた時、

「あっ!!!」

部屋から叫び声が。駆けつけると、前身を布で隠しただけのセクシーふみかが呆然としていた。

「ど、どうしたの?」

微妙に恥ずかしくなってしまい、その姿から視線をそらしながら問いかける。すると、ふみか自身信じられないと言うように、か細い声が。

「……水着のひもが、切れちゃった」

「……???」

水着のひもが切れる?なんで?

私が瞬時に意味を呑み込めなかった理由は、話せば長くなる。温かい目で読んでほしい。私の考える水着とは、まな板に凹凸という名の「空洞(無)」を出現させるための道具であり、自身・道具にかかる力は常にゼロである。したがって、自由でありたいとする「中身(存在)」を、押さえつけ、縛ることで、自身・道具両方に負荷がかかるなどという発想は、皆無だったのだ。

「どうしよう、これじゃあ今日、海に入れない……」

「私の水着を使ってよ!!!」

考える前に声に出していた。ふみかが水着を着られない、ふみかの水着姿を見られない。それは、本旅行一の損失。絶対に阻止しなければならない。

「え、でも、まゆはどうするの?」

「私は……」

着ていたTシャツをめくり「無」に目をやる。

「大丈夫!水着なんかで押さえつけられる私じゃないわ!」

日本人カップル一組と車に揺られること数十分(色気とか何も感じられないうるさい八人と一緒で仲良くしゃべり合うことも出来なかっただろう、かわいそうに)、ビーチに到着。自己完結型ノリツッコミグアムおじさんの楽しい説明後、まずは海に入る。

女子はかわいい系、セクシー系、スポーティーなど、それぞれ自分に合った水着を着用しており、最高に眼福。ふみかには半ば無理やり私の水着を着せた。水着も、私なんかに着られているより嬉しそうだ。

菊地さんは、現地で買った派手なオレンジ色の日焼け止めを、これでもかというくらい全身に塗りたくっていた。沖縄での反省を見事生かしていらっしゃる。

そういえば、まりは海恐怖症で、沖縄でもその片鱗が見えていたが、どうなったのだろう。よく知らないが、誰より勢い良く海に突進していっていった。

アナウンスで「ウチヤマサマ」と呼ばれ、集合場所に向かう。最初のアクティビティーは水上スキーだ。私はもちろん、皆未経験。二人組になって前方の人が運転、後方の人が前方の人につかまる。自転車二人乗りみたいな感じ。正方形型に「浮き」があり、その外側を何周か運転する。

私のペアは菊地さん。とても上手な運転で、物足りなくなったので「もっと速く!」と急かしてみたり。

途中で運転を交代。

あれ、思ってたより重い……。

ハンドル部分が重すぎて、思う方向に曲げることが出来ない。相当な腕力が必要だ。それ右手にあるアクセルを押すとハンドルがぐらぐらと動いて、まっすぐ運転出来ない。

こんなに難しかったのか……。菊地さん茶化してごめん。

ここで私の運転下手が発動。転倒するかもしれないという緊張のため、指先に力が入る。アクセルが押され、いきなりハイスピード。焦ってもっと力む。エンドレス。

「うおっ」と後ろから声がし、菊地さんが完全に浮いたのがわかった。

菊地さんは、命の危険を感じてか、見守る方針を転換。

「いいよいいよ~、ゆっくりね」「そうそう、少しずつハンドルを右に~」「少し左に寄ってるよ~、ハンドルをゆっくり右に傾けて~」

菊地さん、良い教官になれると思う。

 

他のペアはというと、私は自分のことに一生懸命で正直殆ど見られていない。聞いたところによると、

・まりとふみかは運転上手。二人とも水上バイクが似合う。

・内山、かっこつけてカーブをハイスピードで曲がろうとしたところ、後ろの栗ちゃんを振り落す。

・奥ちゃん、運転が下手すぎてコーチのお兄ちゃんにチェンジ通告を受ける。山谷が代わりに運転。

といったところ。やっぱりなって感じだ。

次はパラセーリング。こちらも二人一組で、パラシュートを着てボートに引っ張ってもらう。私は内山とペアになった。

内山が後ろ、私が前でバックハグのような形になるのだが、全っ然ときめかない。それは内山も同じようだ。お互い、次は彼氏彼女と来ような。

パラセーリングといえば、パラシュートで高くまで飛んで風を感じる楽しみ方のはず。なのに出発後、全く浮かびあがらずに二人そろって海にドボン。陸から大分遠ざかっていたこともあって水が冷たい。着用していたものに水が染み込み、重くなる。え?これ失敗したんじゃ?もう浮かべなくない?

結局海水でずぶ濡れにされてから天高く持ち上げられ、普通に寒かった。が、何ということでしょう。海がとってもきれい。実家の見慣れた瀬戸内海とは違い、真っ青なのだ。加えて高いところが大好きなまゆちゃんはその高さに大興奮。ボートとつながっている紐が揺らされ、丁度良いスリルも味わえちゃう。テンションは最高潮に達した。

ボートに戻って苦笑いした内山が一言「黒田うるせえ」。

最後はバナナボート。今までスリリングなアクティビティーが続いてきたんだから、最後はよほど凄いんだろう。と思いきや。

「…………。」

私たちのボートは静まり返っていた。

ぬるい。

バナナ型のボートに乗り、取っ手を掴んで引っ張りまわされるのだが。何というか……全く危険を感じられない。スリルがない。なんなら両手を離して乗ったって、何の支障もない。

今までの疲れもあり、私たちは無言でバナナの上で引っ張られ続けていた。自分たち、馬鹿みたいじゃね?

途中でもう一組のバナナボートに手を振る。あちらのボートはとても盛り上がっているようで元気に手を振り返してくる。なぜ?メンツの問題?確かにこちらのボートには、どちらかというと落ち着いている人が集まっている。私にもっと盛り上げ力があれば……!心の中でそう叫びながらも、声を発せない自分がいた。弱い。

 

引っ張り続けられること約十分。長い旅が終わった。ボートから下りてもう一組と合流。

「いや~~今日一死ぬかと思った!」

と内山たち。え???

どうやらあちらのボートは「本当のバナナボート」だったようで、本気で振り落しに来ていたらしい。それはバーを掴む皆の腕が筋肉痛になるほどに。

だから私たちとすれちがった時は、振り落されるかもしれないというリスクを冒しながら、必死に片手を離していたらしい。

私たちのボートの皆は「いいな~~」と羨ましがった。

その後は、みんなで海で遊んだり、ハエと戦いながらBBQ肉を食べたり。そんな感じ!内山の言いなりになんてならない!夜も誰も潰れなかったよ。楽しかった!学生最高!

俺たちのバケーション:1日目

登場人物

・内山(旅の企画者にして権力者。Wifiお兄さん。)

・奥永(ガーリーさと気配り上手が光るお姉さん。影のディシジョンメーカー。)

・神谷(グアム旅行に並々ならぬ意欲を燃やす。戦跡ツアーにノリノリ。)

・菊地(5年生。2度目の卒業旅行。)

・栗原(キュートでセンスある服装は旅の癒し。)

・黒田(メンバー随一のムードメーカーかつ看板娘。)

・高川(肝っ玉母さん。方々でアイデア出しを行い、バラバラになりがちな8人をまとめる。)

・山谷(海の男。実は水も滴るイイ男。)

 

朝5時。楽しいイベントがある日は、目覚ましより先に体が勝手に起きる。得な性分だ。朝食は、昨晩のもつ鍋の残りで作った雑炊。今日から4日間グアムに行くんだから、日本食の食べ収めだ。

さて……パスポート良し、財布良し、コンタクト洗浄液良し。あとは最悪、現地調達で大丈夫。いざ出立だ。予定は9時に成田空港第二ターミナルへ集合だ。内山が来た。高川も来た。山谷も、奥永も、神谷も来た。みんなどことなく嬉しそう。卒業旅行だもんね、楽しみじゃないわけがない。

…あれ?2人ほどいない気が…?

LINEで遅刻を明言する栗原。定時までには来ると見せかけ、さりげなく遅れる黒田。ある意味、どちらも潔い。

さて、無事皆が揃えばさっさと出国手続きだ。チケット入手、荷物預入、手荷物検査、出国審査もサクサクと終える。さしたる問題もなく、僕たちは日本国のエリアを出てしまった。幸先イイね。

t-Way航空グアム行きの搭乗口は99番ゲートでターミナルの外れ。中心部に比べると、心なしかショップの数も規模も小さい。皆がゲート近くの座席で歓談する中、一人、ターミナルの探検をすることに。

免税店はやっぱり面白い。煙草を何カートンも買うおじ様、化粧品に目を輝かせるご婦人方、Japan感溢れるお土産品を手に取る外国人。買おうかなー、でも日本のディスカウントストアで買ったほうが…などとあれこれ考えていると、あっという間に搭乗時間の11時前だ。ザンネン。こういうのを、石橋をたたき割るって言うんだろうな。そんなことをぼんやり思いながら機内へと向かう。

 

座席は、通路を挟んで3on3。コンパクトなもんだ。通路右前列は菊地・栗原・黒田。通路を挟んで神谷。一列後方には、右側に内山・山谷・高川。通路を挟んで奥永。

前列右サイドでは、栗ちゃんが会話の口火を切った。すご~くニコニコしながら、あれこれ話す姿は眩しい。幸せそうな姿を見られて、こちらまで幸せだ。

黒田は、何やら小説を黙々と読んでいる。何をやっても絵になるから大したもんだ。三重野さんが侍らせる気持ちも分かる。

通路を挟んだお隣の神谷は、フードを被って熟睡。寝相まで凛々しいのは山を渡り歩いたゆえか。

後方の4人も、思い思いの時間を過ごしている。仲間が近くにいるけれど、自分の好きなことをやれるって結構落ち着くよね。

 

そうこうしていると、機内食としてサンドイッチとオレンジジュースが提供された。味はともかくボリュームに乏しいから、グアムに着くころにはお腹ペコペコなんだろうなぁ。

 

機内食を済ませた後は、成田で買った小説を手に取る。これは、幼なじみとの片思いが終わったOLがひょんなことからスピーチライターとなり、クールビューティな師匠と二人三脚、成長していくストーリーだ。涙あり笑いありの軽妙な文体に引き込まれ、気が付けばあっという間に読み終わっていた。原田マハの『本日はお日がらもよく』、お勧めです。

CAから配られた入国書類を書き、地球の歩き方を眺めていると、いよいよシートベルト着用サインのサインが点灯した。夢の島、グアムはすぐそこだ。

 

お世辞にもうまいとは言えないランディングを経て、無事グアム国際空港に到着。

iPhoneを起動して空港のwifiを確保するまでがファーストミッション。

メールやLINE、Twitter、Instaglamを手早く確認するのがセカンドミッション。

そして、荷物確保というサードミッションに続く。

内山の「なんかスーツケースが濡れている」というプチアクシデントはありつつも、スムーズに荷物を受け取ることが出来た一行。

次なる入国審査は、ごついお兄さんと向き合うことから始まる。蛍光色に光るデバイスで、親指から小指、手のひらの紋をくまなく取られる。機械が指紋でべとべとなのがイケてないよねと内心ごちる。ちなみに菊地はこの後、ごついお兄さんに他のメンバーより長い時間質問された。もしや5年生ということが、心証を悪くしたのか…?

最後の関所である税関は、想像以上にあっけなかった。というか向こうのやる気が無い。

スマホをいじり、くっちゃべりながら「ドラッグ持ってない~?はい、大丈夫~」と自問自答して旅行者をパスさせる係員。いい商売してますな。

晴れてグアムに入ることが出来た僕たちは、JTBが手配するホテルへの送迎バスに乗るべく、カウンターに並ぶ。所要時間10分ほどの間に、筋肉隆々な米陸軍兵を数多目撃。

「山谷も今度会う時は、こんな感じに変身してるのかな…」などと想像。筋肉love三橋loveな黒田の目に、ムキムキ米兵はどう映ったのだろう。

送迎バスの中では、高川さんと、過去のグアム旅行の経験を語らい、今回の旅行に改めて思いを馳せる。

僕が家族とグアム旅行に来たのはかれこれ10年前。自分も家庭を持ったら、こういうアクティビティをしてあげられるかな~などと考えているうちに、ホテルへと着いた。

ホテルの名はGrand Plaza Hotel。繁華街と海に近いのが取り柄だ。荷物を置いて一休みした後、毎週水曜の夜のみ開催されるナイトマーケットへ向かうことにした。

・ナイトマーケット

 

(肉をほおばる面々)

棍棒のようなチキンを頬張る面々。これで1つ5ドルなんだから驚きだ。

パイナップルcuttingお兄さん

大鉈を振りかざし‘Haaaaaa’ ‘Seiiiiiiiiii’などと叫びながら、ココナッツをカットし、ジュースを作るお兄さん。相方とのじゃれ合いも可愛い。まぁ、優に180cmはある黒人と白人のムキムキメンズなんだけど。

 

(酒を求めて3000歩)

そういえばここのナイトマーケット、酒が売ってない。Jesus Crist. 本当にこのマーケットには酒が無いのか?まだ見ぬ酒を求め、僕らは旅に出た。

そして割とすんなり発見できた。焼肉屋に併設されているバーで買えるらしい。3000歩どころか、せいぜい30歩だろう。

店員曰く、バーの中でビールを買い、紙コップに注いでもらうという具合らしい。

後から知ったことだが、アメリカでは公共の場での飲酒が原則禁止とのこと。隈飲みとか速攻アウトやな。

そんなこんなで手にしたコロナビール。マーケットの喧騒をBGMにゴクゴク。内山や山谷、栗原も満足そう。良かった良かった。

 

(消える黒田・神谷)

一難去ってまた一難。黒田と神谷が見当たらない。

「神谷は大丈夫だけど、黒田は心配だ」という、失礼なんだか心配なんだかよくわからない判断に基づき、内山が探しに行くことに。

残った菊地と山谷。多感なお年頃の男子がじっとしていると誰が思った?マーケットを骨の髄まで味わうべく、さらに奥の方へと探検する2人。

道の向こうには更なるマーケットが広がっており、2人とも大はしゃぎ。ついでにジュースを買う黒田・神谷も見つけられて万々歳。元のフィールドのことは忘れて4人でしばらくふらついていた。改めて集団行動が苦手なメンツだなと自覚した一幕だった。

 

その後も、お洒落な麦わら帽子を被る神谷・黒田を愛でたり、ミクロネシアンダンス(仮称)を鑑賞したりと、限られた時間ながらナイトマーケットを堪能した僕たち。

男子3人組はちょこっとお酒を飲んで床に入ることに。

明日は朝からマリンアクティビティだ。英気を養おう。おやすみ。

カープ主義-生涯鯉党宣言。絶対カープがNo.1!

「ゼミ生の気まぐれコラム」をご覧の皆様、こんにちは。

ブログ編集担当です。

今春ご卒業された13期の先輩よりお預かりしていた原稿をアップし忘れておりました。

就職活動の短期決戦化に伴い、説明会及び選考への参加に追われていたことが原因です。

先輩、並びに、更新を楽しみにしてくださっていた読者の方々、誠に申し訳ございませんでした。

先輩の溢れんばかりのカープ愛がひしひしと伝わってくる力作となっておりますので、ぜひご一読ください。 続きを読む

最終章 さようなら沖縄、また来ます。

やだやだやだやだ帰りたくない!!!

だってまだ美ら海水族館も首里城もひめゆりの塔も行ってないし、海ぶどうもマンゴーもゴーヤも食べてないんだよ!!?帰れるわけないじゃん???

しかし飛行機の時間は刻々と近づいていた。……ついでに期末試験の日程も再来週に迫っていた。

早川と黒田は空港で、直前に来られなくなった向井のためにお土産を選んでいた。

「これがいいんじゃない?」 続きを読む

第五章 MAD MAYUX~髙川・黒田 怒りの古宇利大橋~

「いっっってえええええ!!!!!」

肌を焼きすぎた菊地、早川の悲痛な叫びが目覚ましがわりに響く朝。我々の旅の最終日である。

昼の便で帰る神谷を送る組と、掃除片付けをしてコテージのチェックアウトをする組とに分かれた。結局、例のコンロを掃除したのは菊地だった。あれはトングで遠くへ飛ばしてくれた。

チェックアウトを済ませ、我々六人は合流。二台のレンタカーで古宇利大橋へと向かった。 続きを読む

第四章 夏の世の夢(後編)~飛んで火に入る夏の虫事件~

※※※ 残酷描写と虫が苦手な方は読まないでください ※※※

BBQが終わった後。

我々はBBQの火を利用して花火を始めた。花火は前日にドンキで適当に購入したもので、およそ百数十本ある。

最初のうちは各々好きなように火をつけて遊んでいたが、我々は小学生ではない。すぐに飽きてしまった。

そこで、 続きを読む